紙+デザイン+テクノロジー 特殊紙(ファインペーパー)ができるまで

写真:内田恵一さん(左)と司会の矢吹さん

15:00-15:45の森林ステージでは、昨年もご登壇いただいた株式会社竹尾の内田恵一様に登壇いただきました!数ある紙の中でも、見てさわって感じてもらう紙…特殊紙についてお話しいただきました。

竹尾のはじまり

株式会社竹尾は1899年の創業、高級特殊印刷用紙の開発と販売をしています。
当初は輸入した紙を取り扱っていただけでしたが、次第に独自の紙も作るようになりました。時代が進むにつれ、特殊紙の中でも印刷再現性が高いものが求められるようになり、独特のテクスチャーや豊富な色数等、紙そのものが持つ魅力を最大限に活かすように造られた紙が生まれました。それがファインペーパーと呼ばれる紙となりました。
社内では間違ってもファンシーペーパーと言ってはいけないそうです…。

現在ではたくさんの紙と共にファインペーパーもかなりの数が作られています。
このようにただ紙を扱っているだけではなく、紙+デザイン+テクノロジーを組み合わせることにより、社会に貢献していっているとお話しされました。

ファインペーパーの種類

大まかに紙の種類についての説明ののち、それぞれの特徴に触れながら、ファインペーパーの種類を見ていきました。
様々な紙の話の中で、特にレザックなどは官公庁の発行物でよく使われるらしく、かつては年度末になると紙が売り切れてしまう出来事もあったとのこと。また、ファインペーパーの代名詞とも言えるヴァンヌーボーなど、実際の紙見本を見ながら紹介、参加者のみなさんも楽しみながら紙の違いを体験していました。

そんな多種多様な紙見本の全てが、竹尾の紙見本には入っており、現在では8000種類ほどの紙の商品があるそうです。そんな紙見本、今回のプレゼント景品としてご提供いただいたんですよね…! すごい高いのに…。すごいな…。

い織り

そんなファインペーパーの中で、今回は「い織り」を紹介していただきました。
「い織り」は和をイメージした商品で、27色と6連量と、柄のバリエーションが充実しているファインペーパー。原紙を保管しており、その場その場でエンボスの型を変えることができる紙なのだそうです。
2020年のオリンピックに向け、この紙には今後より広い需要の見込みがあるとおっしゃられました。

先例として、以前NTラシャの常盤色が急に売れた時期があったそうです。その理由はインバウンド効果で、外国の方が日本へ来た際に買って行く「抹茶味のお菓子のお土産」に「ラシャの常盤色」が使われており、それが売れに売れたとのこと。このように「和食」がユネスコ無形文化遺産になったこともあり、「和」が最近かなり意識されています。
和の要素を持った商品、サービスに対しての需要が高まってきているので、竹尾としても新しい「和の紙」を考えており、「い織り」は新技術でモダンな和を再現すべく設定された、自然の中に生きてきた日本人の感性を感じさせる上品で清廉な紙。なので、今現在大きなシェアをあげそうなのがこの「い織り」なのだと紹介されていました。

昔はパステル調の紙がよく売れていましたが、今は深い色の紙が売れているそうです。確かに、最近のファッションなどもその傾向が強いですね。世間の需要の高まりに合わせて、竹尾では色々な紙を開発していっているとおっしゃられていました。

よりイメージに合う紙を

多様な柄と色とがそろっているので、お仕事の中でそういう紙を使ってみていただきたい、と内田さんはおっしゃられました。特に最近は色にこだわっている方が増えており、より白く、より赤く、より黒くと要望もハイレベルになってきている。色を意識したデザインが増えているので、竹尾としてもそれに対応するよう企業努力されているとのことです。
なんとスノーホワイトを超える白のラインナップも存在する(知らなかった)との事!すごい!

そして最後に竹尾からリリースされている紙見本などを参加された皆さんに無料配布!
もう端から無くなっていってものすごい人気でした。バーゲンみたいでしたね側から見てて…(参加できなかった)
本当にタメになる、そして楽しい時間をありがとうございました!

レポート:サイコ

この記事を書いた人

creative-hunt