14:00からの洞窟ステージでのセッションはYWCD(大村印刷株式会社)のサイモトコウタさんによる「強いデザインには意味がある!意味からひも解くデザインワーク」でした。
サイモトさんは24歳からグラフィックデザインのお仕事をずっとされているそうです。
最近ではアートディレクターとしてデザインや企画を行っているとおっしゃっていました。
ちなみにサイモトさんのあだ名は「サイコ」さん。サイモトコウタからきているそうですが、文字り方が意味深ですね。
セッションでは、デザインの強い、弱いとは。そもそもデザインとはどういったものなのか。
実際にサイモトさんが手がけたお仕事を例に、意味からひも解くデザインワークについてお話していただきました。
デザインとは
デザインとは「意図の設計図」。
アートと明確に分けるのが難しいデザインですが、主観的なアウトプットか客観的なアウトプットかで区別がしやすいそうです。
基本的に自身を主体として作られたものが主観的なアウトプットであるアートで、第三者を意識して作られたもの客観的アウトプットのデザインになります。
そして、デザインには主に3つのステージがあります。
- 目的の設定
発信したいコト・モノの目的を決める - 情報の収集
目的とするモノを構成する要素集める - 要素の組立
集めた情報を意図に沿ったカタチにする
これらの段階をふんでようやくデザインが出来上がるんですね。
デザインが強いとは
今回のテーマでもある強いデザインについて。
具体的にどういうデザインが強いのでしょうか。
サイモトさんは、強いデザインとは納得してもらえるデザインだとおっしゃっていました。
デザインの根拠が自分の中にしかないのは力の弱いデザイン、他者を通すことで力を発揮するデザインが、力の強いデザインだとおっしゃっていました。
デザインは画面がおしゃれで美しいだけではダメなんですね。
サイモトさんは、面作りとともに情報の構築も重要だとおっしゃっていました。
情報の積み重ねがブレないデザインになるそうです。このような地道な作業がデザインに意味と根拠を与えるんですね。
実際の例から紐解く
ここからはサイモトさんが実際に手掛けたお仕事を例にデザインについて考えていきました。
いくつか挙げていただいた例の中でも、今回クリエイティブハントの会場としてお世話になった山口大学。
その大学生協の電子マネー「CHORUCA」のロゴについての例をご紹介します。
CHORUCAはサイモトさんがデザインをされる前から存在していたそうですが、主に4つの問題を抱えていました。
- あまり浸透していない
- もっと身近な存在にしたい
- もっと使ってほしい
- 生協らしくしたい
そこで、この4つを解決するために情報を集めました。
- CHORUCA(名前)
- 普段使い
- カジュアル感
- 若さ
- 親しみやすさ
- 生協感
- 目立つ
- 電子マネー
これらの情報をもとに、CHORUCAのフォントや色を決定していきます。
ちなみに電子マネーのカードは多くのモノが名前にICカードの「I」と「C」を含んだ名前になっているそうです。
この傾向を生かし、CHORUCAにもICの要素を取り入れて完成したのが写真のスライドのCHORUCAです。
「R」の一部を「I」に見立てて、払うを意味する英語の「Pay」と、ICカードをかざすときのペイッという動作を取り入れたデザインになっています。
さらにこのデザインにはCOOPの文字も隠されているとか!見つけられますか?
このようにして、意味から紐解いてデザインが出来上がっていく過程を説明してくださいました。
終わりに
サイモトさんは最後に、デザインに必ずしもセンスが関係しているわけではないとおっしゃっていました。
この言葉に励まされたとおっしゃっていた参加者の方もいらっしゃいました。
私もデザインを勉強する身として、とても参考になりました。才能やセンスを言い訳にせず、地道な努力をしていこうと思えました。
これからはもっと情報という観点を意識してデザインを見ていきたいです。
とても勉強になるお話をありがとうございました!
セッション資料
近日公開予定!
レポーター:村中さん
山口県立大学2年生の村中さん。今回、当日スタッフとしてお手伝いしてくれました。
将来はデザイン系・Web系のお仕事をしたいということです!学生さんが積極的に学ぼうとしてくれるのは、おばちゃんとっても嬉しい!!
突然の自己紹介タイム#ゴーハント pic.twitter.com/rEAtiCsrDY
— きゅあ⚅むいち⚀ (@typem1) October 27, 2018