元・印刷会社勤務のイラストレーターがおくる「明日からがちょっと楽しくなる クリエイティブの起爆剤」

写真:セキさんとキュアセブン

森林ステージの、13時より行われたのは

セキサトコさんによる
『元・印刷会社勤務のイラストレーターがおくる「明日からがちょっと楽しくなる クリエイティブの起爆剤」』。

セキさんは山口県下松市生まれのフリーランスイラストレーター・デザイナー。今年は絶対、セキさんのお話を伺いたい!とオファーしたところセッション登壇をご快諾くださいました。

大阪の印刷会社で働かれていたセキさん。山口にUターンされ、会社員を経てフリーランスになりました。

今や大活躍されているセキさんも、仕事を始めたばかりの頃は「好きだったはずのクリエイティブな仕事が楽しくない」「自分は周りよりレベルが低い」などと思い悩むことが多く、クリエイターライフを楽しめない期間が長かったそうです。どうやってそこを抜けたのか?どうしたら好きな仕事がより楽しくなるか?

フリーランスに限らず、会社員でも、学生さんでも、明日からのクリエイターライフにちょっと活かせそうな考え方のポイントを、私の過去の失敗談や「こんなことがきっかけで変われた」という体験談を交えながらお話ししてくださいました。

ポイント1『とにかく見ろ!&盗め!』

働き始めたばかりの頃はとにかく社長から「このデザインは『アカン』」と言われて続けていたそうです。でも、何が『アカン』のか?

「お客さんに出せるレベルじゃない」ということは分かるものの、技術がないので「具体的にどこをどうしたらいいか」が分からない状態だったそうです。

そこでセキさんがやったのは…

とにかく先輩の制作風景を見る!

先輩のデータを見て技を盗む!

また就活生だったとき、出されたお題のためにプロの作品を何度も何度も見ながら、フォントのバランス・画像の処理・効果などなど研究しまくったそう。

その結果完成したお題を社長に見せて言われたのがこんな言葉。

これ、何か見ながら作った?それでええんやで。

いい作品を見て、いいところを取りれていかんと自分のデザインも成長しない。実力も伴わないうちから“オリジナリティー”にこだわる奴ほど、大して良いもん作れんかったりする。

実力が足りんうちはどんどんプロを見て学ばんとなぁ。もちろん就職が決まったってそこで終わりやない、プロになったって毎日勉強せなアカンで。

「優れたデザインと自分のデザインはどこが違うのかな?」と考えながら手を動かし、見て・盗みながら実力をつけていったそうです。
ちなみに、最近「パクリ」が何かと話題ですが、パクリと技術を盗むことの違いは
『自分のものにしてやる!』と言う気概の違いだとセキさんはおっしゃっていました。

ポイント2『今すぐやれ』

数年前のセキさんは、いろいろやってみたいことは多かったセキさん。その割には「今日は疲れているから明日やろう〜」とか「ちょっと作ってみたけど、まだまだ人に見せられる段階じゃないし…」と今すぐとりかかれない理由」をつけては後回ししていたそう。

そんなときに言われたご友人の言葉。

そのうち、っていつ?

プライドの高い奴ってさ、“完成度の低いものは見せたくない”っていう気持ちが強すぎて、しかも高い完成度を求めるがゆえに時間かかっちゃって、そうこうするうちに熱も冷めちゃって、結局何も出さずに終わっちゃうことが殆どだよね。

ちなみに俺の周りの「すごい奴」は基本的にアホ(褒め言葉)が多くて、「何かやろう」って思ったときに、まだ完成度3割くらいの段階で人に見せちゃうんだよね。

で、まぁ完成度3割なもんだから当然「そこもっとこうした方がいいでしょ」とかいろんなツッコミが入りまくるんだけど、素直に「そっか!」ってなって、ツッコミが入ったとこ直して、手も加えて、最終的には完成度10割の素晴らしいものをつくって出すことが多いんだよね

とても胸に刺さったそうです。

それからというもの、セキさんはまだ少ししか取り組んでいないことも、積極的に周りに発信するようになったとのこと。

そして分かったのが…

発信すると後に引けなくなって、頑張りやすくなる

ということ。

また、それは

続かなくてもいい

ということ。

特に若いうちは、やりたいことがいっぱいありますよね。「やり始めたからには続けなきゃ…うまくやらなきゃ…」と思いがちですが、この思いが足かせになっていることもあります。でも、やってみて「何か違ったな」と思ったらカジュアルにやめてもいいと思うことで「今すぐやる」力を後押しできるとのことでした。

そして、やってみたいことをどんどんやって発信した結果…自分の好きなことで仕事が舞い込むようになったとのことです。

やりたいことは一つに絞らなくていい。
何かを極めたいからといって興味があることを捨てるのはもったいない。違うジャンルの知識や経験があることが強みになる。
無理して何かに絞らなくても良いのですね。

ポイント3『“できること”が増えればクリエイティブな仕事はもっと楽しくなる』

のびのびと好きなようにやっていた学生のときはデザイン楽しかったと言うセキさん。

でも社会に出てデザインをお仕事でするようになってからは、お客さんからどんどん出てくる要望が辛く、楽しくなかったそうです。

なぜ楽しくなかったのか?

それはスキルがないせいで「お客さんの要望に軽やかに応えられなかったから」。「分からない」というのはとにかく辛いことですよね。

でも、言われたことに応えるために「内容について調べる」「お客さんが望んでいることを詳しくヒアリング」「良いデザインを見る」「良い素材を探す」「この方法が良いかな?と思えるものはやってみる」ということを毎回毎回繰り返して、少しずつスキルを上げていったそう。

そうして、スキルが上がると「どうすれば良いか」が分かるようになった。その結果日々の仕事も楽しみながらこなせるようになったそうです。

スキルは一朝一夕で急に上がりません。毎日「できないこと」に当たったら「できる範囲で」やるのではなく、

調べる&やってみる。

この繰り返しで「できること」を少しずつ増やしてみましょう。当たり前ですができることが増えれば増えるほどクリエイティブな仕事は楽しくなります。

(刺さりすぎます…)

写真:セッションが終わった時の様子

まとめ

どこを直したらいいか分からない!?スキルやセンスを磨くには

  • とにかく見ろ&盗め

やるやる詐欺卒業!やってみたいことがある人は

  • 今すぐやれ
  • 続かなくてもいい
  • やりたいことは一つに絞らなくてもいい

好きなはずの仕事が楽しくない

  • 調べる&やってみるをコツコツ繰り返して“できること”を増やす
  • できることが増えればクリエイティブな仕事はもっと楽しくなる
  • でもつらいときは頑張らない

感想

刺さることが多すぎて、大きく共感したり、見につまされたり、目頭を熱くしながら聞いていました。

お話の中でも特に深く感銘したのは下記の言葉。

「分からない」というのはとにかく辛いことですよね。
でも、毎日コツコツ、調べる&やってみるでスキルをあげた。
スキルが上がると「どうすれば良いか」が分かるようになった。
その結果日々の仕事も楽しみながらこなせるようになった。

ただ頭で考えるだけなのと実際に行動するのとは全然違う。

人のやってることを見て「私だったらもっとこうするのに…」とか思うことあるけど、実際やってみると思いがけない失敗があったり思ったように進まなかったりして、やっぱ頭の中で構想しているようにはいかない。

いくら好きな仕事とはいえ「あ、今ちょっと頑張れないな、しんどいな」と思うことは当然あります。本当にこのまま走り続けるのは無理かもと思ったら素直に休むようにしています。そして元気なときは楽しんで仕事をしよう、と

今自分が苦しいことは、こんなにご活躍のセキさんも苦しんできたことなんだ…と知ると同時に、切り抜けるためにターニングポイントとなった言葉や人を大事に、努力されてきたことを知って、自分も頑張ろうと強く思ったセッションでした。

そしてそれは、思っただけではダメで、今からコツコツやっていきますね。

セキさん、素晴らしいお話をありがとうございました!

セッション資料

レポーター:村上さん

今回はセッション取りまとめお疲れさまでした!!

キュアセブンのレポートも!

この記事を書いた人

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