概要
深沢幸治郎さんのご紹介
午後からの渓谷ステージでは、大阪在住のフリーランスデザイナー 水交デザインオフィスの深沢幸治郎さんによるセッション「見積変われば仕事が変わる? 関西在住ウェブ系フリーランス・お見積の理想と現実」です。
深沢さんは本業のデザインナーのほか、WordCamp Osaka 2018をはじめ、様々な場所でスピーカーとして活躍中かつ、大阪初のコワーキングスペース「JUSO Coworking(十三コワーキング)」の運営もされてます。
今回は、10年のフリーランス活動で蓄積された、見積をテーマについて話していただきました。
見積りはコミュニケーション
フリーランスとなって最初に悩むのは、見積もりの出し方、金額の決め方ですよね。
基本の考え方は、理想の月の売上額から時給を算出する
↓
相場をさぐる
(同じ地方の同業者、業界標準価格(例:広告制作料金基準表)、ウェブサイトから)
↓
自分の事業価値(強み、弱み)と比較して算出
ということですが、見積で決まるのは金額だけでなく、「なにをするか」も決まるということです。
具体的には、ざっくり一式という内容ではなく、見積項目の細分化や説明をすることで、提供するサービスへの理解をしてもらうと同時に、そこでクライアントの求めるものを知ることによって双方が納得いく見積もりをつくっていくことが必要ということでした。
私たちは営業している
フリーランスのデザイナーなどはとかく制作費に注力しがちで、見積もりには制作費しか入っていないケースが多々ありますが、企業と同じようにフリーランスでも企画、設計、クライアントへの報告、ディレクション、スケジュール管理など制作以外のブレーンワークも仕事も多い発生しています。
そのような仕事についても、営業管理費、進行管理費、全体制作費の数十%という形で計上、または、制作費の単価に暗黙的に含めたりしたりしないと、理想の見積を出してもその通りに稼げない問題となってしまうので注意しましょう。
ざっくりいくら?
あるあるです。
この場合、依頼する方の心理としては、
- 見積がまったく想像できない(桁違いにならないか不安)
- 社内で検討する上で、予算枠として上限を知っておきたい
という不安を想像できるので、レスポンスの速さが好まれます。
その場合の回答方法として
- 口頭で概算を伝える(ex. 過去の例を挙げるなど)
としますが、正式なものではないとはっきり伝えておくことも必要とのこと。
次も発注しますので…、友達価格で…
さらにあるあるです。
フリーランスでは、そういう口上で値下げ、または低予算での相談は多々ありますね。
そういうケースの場合、双方の関係性が壊れる可能性があるので、基本おすすめしないとのことですが、経験や実績を積むと割り切れる、泥沼化しないよう前提条件を決めるなど進めるにあたっては細心の注意が必要だそう。
セッションを聞いてみて…(感想)
大阪で活躍されてらっしゃるフリーランスデザイナーさんのセッションだったわけですが、単価の違いがあるにせよ、同じような問題、要求があり、同じような悩みがあるのだなあと地方のフリーランサーとして非常に共感する部分が多かったと感じました。
また、大阪の方ということでテンポよく話していただき、45分があっという間に過ぎてしまいました。
見積は、単なる金額を伝えるものではなく、クライアントとのコミュニケーションを深める手段の一つとして、これからフリーランスになろうと思う人、フリーランスで見積について悩んでいる人にとって大変有意義なセッションだったと思います。
深沢さん、ありがとうございました。
スライド資料
レポーター
前田和也(PlusMKdesign)@plusmk
今年初めてスタッフとしてジョインさせてもらい、当然初レポートです。
普段は、ウェブ制作のほか、大学や専門スクールで教えたりしています。