山口県でフリーランスでやっていくために気をつけていること大全集

15:55から洞窟ステージでおこなわれたのは、「Lesson5」として山口県でフリーランス活動していらっしゃる、WordBench山口のモデレーター「久次 昌志」さんのセッション。
今回は「山口県でフリーランスでやっていくために気をつけていること大全集」として、久次さんがこれまで10年以上続けられてきたフリーランス活動において、自身が気付かた数々の『大切なこと』を、アツくご紹介されました。

独立から現在まで

DJ活動をされていた大学生の頃、作るコトに憧れていた久次さんは、DJイベントのフライヤー制作に楽しみを感じ、“どうせならやりたいことを”という思いから、クリエイティブ活動に興味を持たれたそうです。そして、「というのは表向きで。」と前置きされ、「どうしてもお金が必要な理由があった」とリアルな面からも、なぜフリーランスとしての独立に至ったのかも語られていました。

ほぼ独学でIllustratorやPhotoshopの腕を磨く中で、紙のデザイン(DTP)市場の成熟度が高いことに気づき、方向性を「身のまわりではまだ誰もやってない」Webデザイナーへとシフトチェンジ。そこから、「まさに写経の様に!」とご自身で比喩されていた通り、webサイトのソースを手で紙に書き写し「webの教科書が充実してない時代」を乗り越え、勉強にはげまれたそうです。このエピソードには、セッションに参加されていたの同年代の方もうなるばかり。

独立当初

独立当初はとにかく実績を作る事に専念され、友人・知人に「とにかくwebサイトと作らせて欲しい」と走りまわられたそうですが、うまく売り上げが上がらなかったようで、「二度とこの頃には戻りたくない」と語ってもおられました。

ターニングポイント

久次さんにターニングポイントが訪れるのは、独立から2年後。
自社サイトから直接依頼がくるようになったこと。さらには、クリエイター登録サイト「ロフトワーク」からも仕事が獲得できるようなったことで、仕事が継続的に入ってくるようになり、「仕事があるってだけでほっとした。」と精神的にも安定できるようになったそうです。

好調期

そこからは「好調期」。前置きとして「デザインも伸ばしたかったが、猛者が多く、太刀打ちできなかったから」とご謙遜されていた久次さんですが、とにかくたくさんコーディングをし、とにかく仕事をこなすことで、独立した事への肯定感が増していったと語られていました。

リーマンショック

その矢先に突然訪れた「リーマンショック」。世界情勢もさることながら、その波は山口県のLesson5にまで襲いかかりました。その際に「1社依存はとても危険」と言うことを身をもって感じた久次さんは、それと同時に「コミニュティーの大切さ」も身に染みて感じたとおっしゃっていました。

復調期

日頃大切に育てられてきたコミニュティーのパワーによって、リーマンショックの荒波を乗り越えることができた久次さんは、その後、順風満帆なフリーランス活動生活を送られます。「取引先に制作会社さんが増えてきた」「自分の仕事がクチコミで紹介されるようになった」「1社依存から抜け出せることが出来た」と追い風を受けたとの事ですが、私が思うに「それも久次さんが今まで努力をなさってこられた」こそ。

そんな腰の低い久次さんの現在はズバリ「今まででBEST」。それでもなお「新しい技術に次々と対応していきたい」と上を目指す久次さんには、ただただ尊敬するばかりでした。

お仕事依頼について

「現在のお仕事依頼のタイプは2つです」と軽くおっしゃる久次さんですが、その内容・手法はとても深いものでした。
「安定を目指すには、クチコミで増やすこと。」「とにかく先方の負担を減らすこと。」「案件は直に受けること」と、心に響くものばかり。そして、私が特に心に響いた言葉は「お互いの信頼を大切にすること」「機会を増やすにはたくさん出会うこと」「いいお客さんにお会いできるようにするには、いいコミニュティーを大事にすること。」でした。これらのことは『お仕事』の際などに関わらず、フリーランス活動以外の場面でも活かせる内容であり、人生においてもとても重要なことだと思いました。

そして、特に大切にしている事として紹介されていたのが『【早い・安い・質が高い】のうちの2つを手に入れること』でした。この中の1つだけしか持っていない場合、仕事をとるには無理があるそうで、まさに「自分の強み」を確立するためのレシピのように感じられました。

スキルの身につけ方

こちらは、「お仕事から」と「お仕事以外から」と分けてご紹介いただきました。
まずは「お仕事から」のお話。
フリーランス独特の問題として「誰かと一緒に仕事する機会が無いために、勉強できる機会が少ない。」という事を挙げられていました。それを克服するのが、「とにかく盗む!盗む!盗む!」事だそうです。ちょっと聞いただけではネガティブに感じられますが、私にはそう思いませんでした。「昔の職人は『見て盗め!』と言われていた。」という話をよく耳にしますが、この言葉を聞いた時、私はすぐこう感じたのです。「久次さんは、まさにwebの『職人』である」と。そして「先人のプロ職人と同じく『見て盗め!』と私に喝を与えていただいてるのではないか」と。そこには「プロだから言える重い言葉だ…」と姿勢を正す自分の姿がありました。
その後につづいたスキルの身につけ方には、「とにかくチャレンジ!チャレンジ!チャレンジ!」「動向を知っておくのが最低ライン」と、簡単にできそうで努力しないとできない内容であり、たくさん努力されてきた久次さんだからこそ、伝えられる言葉ではないかと感じました。

「お仕事以外から」のお話では、「ブログを作って文章力をアップ」「わかりやすいところでマーケティングUP」「スクレイピングの構築」「仕事以外で自ら仕事を作る」など、より具体的な方法を紹介されていました。ここについてはまさに同業者の皆さんにとって聞き所。参加者の皆さんは笑顔の久次さんから語られる体験談に、耳を傾けていらっしゃいました。

生活スタイル

と、ここで久次さんは、仕事のとき以外の行動にあたる「生活スタイル」を紹介され始めたのですが、私には最初、それがフリーランス業に役に立つ話なのかと少し疑問に思ってしまいました。ですが、それは私の未熟から生まれたものであることにすぐ気付かされるのです。フリーランスをされている方は、日々の生活自体もフリーランス業にとって重要であり、その日々の生活こそがフリーランス業を左右する重要なポイントとなる事をお話され始めました。

「タフであること。」「事務所をかまえて、生活にメリハリをつけること。」「飲み会(会合)に顔をだして、みなさんに知っていただくこと。」等をあげられた後、最後に「遊びも仕事。人生全てが仕事。」だと。この話を語られる時の久次さんの笑顔には、とても強い意志を感じられ、久次さんの心の広さを改めて知る事ができたと思います。

今後の展開

最後に今後の展開として、「回す側を育て、会社化すること。」「フリーランス協会」に携わり、フリーランス・パラレルキャリアを支援すること。」を挙げられ、「ずっとフリーランスで存在し続けられるか問題」を課題としていくことをおっしゃっられていました。

まとめ

今回久次さんにお話しいただいた内容は、題名こそ『フリーランス』にフィーチャーされていますが、山口に在住しながらパラレルキャリアとして活動させていただいている私自身にも、とても心に響き、心に届く内容でした。仕事の体系や内容に関わらず、「生きていく為に大切なこと」を教えていただいたような、そんなセッションに感じました。久次さんがまとめとして挙げられていた事で、私が「生きていく為に大切なこと」にも通じるのではないかと思った項目をご紹介し、まとめとさせていただきます。
「運をつかめるポジションにいること」「関わる人の負担を減らしてあげること」「ビジョンを持とう」

久次さん、本当にありがとうございました。

セッション資料

レポーター:茄子川導彦

この記事を書いた人

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