集客に悩んでいる人のための「人が集まる仕組みづくりセミナー」

概要

講師のご紹介

森林ステージ3コマ目のセッションは、防府商工会議所の吉田充孝さんでした。なんとこの日は、朝4時半起きで別イベントに出たあと、午後はクリエイティブハントというダブルヘッダーでのご登壇。そんなお忙しい最中に、ご登壇いただいたパワフルな吉田さんに脱帽です。

普段は、経営指導などに携わっていらっしゃる吉田さんですが、地域の様々なイベント企画でもご活躍されています。そんな吉田さんより、ご自身の反省と経験から「人」を集めるための仕組みについて、お話しいただきました。

写真:台本の表紙
セッションはじまり

なぜ「ひと」が集まらないのか

写真:「人が集まらない孤独な戦い」というスライドを表示しお話しする吉田さん。
人が集まらない孤独な戦い、、、

まずは事例として次のような人周りにいませんか?との問いかけ

例1.1人で忙しそうにバタバタしていて、まわりに不機嫌をまき散らしている

例2.忙しそうにしているだけで、実際は何も物事が進んでいない

例3.相手が理解してくれないと言って、外部とトラブルばかり起きる

「うんうん」と頷く人もいれば、どきっとする人もいるかもしれない。「これらの事例は昔の自分です。」と吉田さん。しかし、自分が変われば周りも変わるということに気が付かれたそう。そのときに考えたのが、「人が集まる場所」と「人が集まらない場所」の違い。

それは、その場が「楽しいか、楽しくないか」の違いなんです。

すごく単純だけど、深い。じゃあ「楽しい場」ってどうやって作るの?

吉田さんは、色々なイベントに出かけては、その企画の因数分解をするそうです。それは、「このイベントは、何と何がかけ合わさって成功しているのか」を解体、分析するということ。

また、面白い企画というのは、20秒で説明しても、「面白そう!」と思われるくらいシンプルな企画だということもおっしゃっていました。確かに!人は理解できないものに対しては慎重になったり、訝しんだりしますからね!「面白い」の前に「わかる」ということが必要なのかもしれません。

写真:右手を挙げて話す吉田さん。
「楽しい」ことが大事!と楽しそうに語る吉田さん

一番大切な「人」は誰か?

そもそもこのセッションでいう「人」とは誰のことを指すのでしょうか。

それは、まず「自分」です。そして「自分の一番近くにいる人(仲間)」そして「業者の方々(協力者)」、最後にくるのが「お客様」です。「嫌だなぁ」と思いながらする仕事は、その思いがその仕事の「結果」に出てくるとのこと。だからまずは自分が楽しむこと。すごくわかります。また、お客様ありきのお仕事をしていると、そちらばかりに気をとられすぎて、一緒に働く仲間を大事にできていないのではないか。そう、最初の例にとったごとく楽しい場作りができていないことで、仲間がどんどん離れていってしまい、イベントを実行することすらできなくなってしまいます。つまり、一番大切な「人」とは、「自分の一番近くにいる人(仲間)」であり、「仲間」にとっての楽しい場作りをすることが一番重要。

イベント会議のときもメンバーのフォローアップは、確実に行っているそう。どんな人も自分が必要とされているという意識があるからこそ、やる気をもって協力してくれる。だからこそ、どんな意見も大事にして、しっかりと仲間のいち員であるという自覚をもたせてあげることが大切なんですね。

「人」が集まるPR方法

大事なのは、「自分ゴト化」。そのイベントに参加して楽しんでいる自分が想像できるか。

今回ラグビーワールドカップのポスターを例にとって話してくださいました。ポスター一面に試合中の迫力あるワンシーン、大きく打たれたメッセージ。ひと目でわかる試合の臨場感や選手の熱量がこの写真一枚で伝わってくる。その会場で一喜一憂応援する自分を想像することができるポスター。企画も同じで、冒頭に「20秒で話しても面白いと思われる企画がよい」と話していたように、「仲間」や「協力者」がその企画を聞いて、自分が参加する楽しみ、メリットを見出せるから「自分ゴト」として自然と参加してくれるのです。吉田さんが関わってこられたイベントにはこうして集まった力強い「協力者」の存在がありました。

「防府天満宮花回廊」

今年で7回目となるイベントで、毎年、天満宮の回廊に防府市のPRブランドの「幸せます」の文字を色鮮やかな花文字で表現しています。今年は元号改正にあわせ「平成」から「令和」へと花文字を変えるというキャッチーな企画で、GW時にも関わらず、多くのボランティアスタッフが集まり、花文字の大移動にご協力いただきました。このイベントで使う花の苗は、地元の農業大学校に依頼し、さらには地元の中学校でその花を育て、デザインには山口大学の教授と学生が案を出しています。展示終了後には、花をひと鉢100円で販売していて、毎年長蛇の列が並ぶ、大盛況イベントです。

写真:イベント防府天満宮花回廊でのボランティアの集合写真。約50人が右手の拳を挙げている。
2019年5月 防府天満宮花回廊の準備に集まったボランティアスタッフ

SNS時代の「人」の集め方

文字情報よりも視覚的情報の方が圧倒的に影響力があることは明らかで、だからこそ、instagramのようなビジュアルメインのSNSの口コミは、馬鹿にできない。

では、どうしたら「ここ行ったら良かったよ、これいいでしょ、こんないい写真撮れたよ」とみんなが載せたくなるような「インスタ映え」スポットを提供できるのかということも意識しながら、イベントの場を作っているそうです。

それには、やはりそれなりの手間暇をかけたり、「本物」を見せたり、小手先ではないインパクトが大事のようです。

また、情報発信を束縛しないことも大きいポイントで、「この位置から、この角度で、このポーズで」といった型をつくってしまうのではなく、楽しい仕掛けをつくることに徹底すること。そうすると、人が自然に集まって、そこでそれぞれの楽しみ方を発見してくれる。それが口コミに繋がるのでしょう。また、情報が拡散するまでには、ある程度の時間がかかることも計算して、なるべく期間は長くすることも重要だということでした。

写真:七夕祭りに集まる大勢の人々。大きな笹の木にたくさんの短冊、ライトアップなど、華やかな様子が伝わってくる。
2019年7月 吉田さんが実行委員を務める七夕祭り 来場した人で賑わう防府天満宮

まとめ

楽しい場所に人は集まる

一番大切にすべき「人」は、「一番近くにいる人(仲間)」

企画を「自分ゴト化」すること

本気のインスタ映えを狙え!

以上、「人」が集まる仕組みづくりのレポートでした。企画するだけでなく、様々な会社での取り組みに活かせる貴重なお話でした。吉田さんありがとうございました。

レポーター

西澤佑(愛称:しゅわっち)大村印刷株式会社

写真:スピーカー吉田さんとレポーターしゅわっちのツーショット写真。
右が私、しゅわっち

この記事を書いた人

creative-hunt