13:45からの渓谷ステージでのセッションはYWCD(Yamaguchi Wakate Creators Division)のサイモト コウタさんによる「全ては日常の中に。日々の暮らしに見る、デザイン思考の拾い方」でした。
日常の中に溢れる『デザイン』。それらはなぜそんな形をしているのか?
今ある『モノ』から逆算してその成り立ちを考え、自分なりの答えを出すことでデザイン力を鍛える方法をサイモトさんからハントして来ました!
デザインとは
- デザインとは意図の設計。個人・自身の願望を満たす目的ではなく 目的を達成する為の手段・計画 より良くしていく動きのことをいう(アートとは違う)。
- センスとは知識の蓄積。生まれ持った才能によるものではなく 現実社会の中での動きや流れを 知識を根拠に適切に感じ、取り出す能力。
つまり
才能はあまり関係がないもの
適切にやるべきことをやれれば自ずと結果として出る
デザインに必要なこと
- 目的の設定(発信したいこと・ものの目的を決める)
- 情報の収集(目的とするものを構成する要素を集める)
- 要素の組立(集めた情報を意図に沿ったカタチにする)
3の『要素の組立』がデザインと思われがちだが、本当に大切なのは1の『目的の設定』と2の『情報の収集』。結果より経過。デザインにおいて最終的にどんな形にしたいか・どんな形になるかはその経過でおおよそ決まる。これらが決められればカタチはできたも同然!
と、いうことは
『目的の設定』『情報の収集』を探る能力を養うべし!
日常生活の中のモノから考えるデザイン
考えている is 強い。日常の中で、生活の中で、デザインについて考えるようにする。そうすることでデザインの反応速度・守備範囲は広げられる。セッションではそれらの手法を具体的な例題を交えて考えました。
そのデザインの理由を考える
【 Question 】白いコップはなぜこういうデザインに?
【 Hint 】そのものを見て気づくことから理由をさがす
【 Thinking 】
- この形なら液体がもれない
- 長い期間使えるようになってる
- 様々な温度のモノが入れられる
- 飲み物自体を楽しめる
【 Answer 】年間通じていろんな飲み物を毎日手軽に楽しんでほしいから
デザインするのに大事なことは
疑問を持ち、知ること
さらなる理由を考える
【 Question 】日本硬貨のデザイン、もっとよくできるんじゃない?
【 Hint 】あえて気になるところをつついていく
【 Thinking 】
- 大きさ(金額と大きさが比例していない)
- 形状(穴がある/ない)
- 金額表記(漢字/アラビア数字)
- 色(銅色より銀色の方が価値がありそうなのに10円は銅色で、50円・100円硬貨は銀)
- 材質(バラバラ)
【 Answer 】
大きさ、形状、金額、色、材質…自分が考えるデザインルールに従って作り直してみる(その結果、すごい違和感があるものが出来上がる)。
デザインするにはこれも大事
より良さを考えること
(間違ったっていい。自分なりの結果を出すことが大事。)
なぜこういうデザインなのか?
この写真にある物体(コップ)。その形や色や素材が選ばれた理由を考え、疑問を持つことからデザインは始まる。#ゴーハント pic.twitter.com/lcTgZaCvw7— 思田高ばここ (@jamfurafura) 2017年10月14日
セッションまとめ
- デザインは才能はあまり関係がないもの。適切にやるべきことをやれれば自ずと結果として出る。
- デザインにおいて最終的にどんな形にしたいか・どんな形になるかは、その経過でおおよそ決まる。
- デザインするのにだいじなのは『疑問を持ち、知ること』と『より良さを考えること』
感想
30歳を過ぎて突如としてデザイン業に携わることになった私にとって『デザインは才能ではない』というお話は非常に勇気付けられるものでした。それと同時に、努力に左右されることを改めて気付かされ、背筋が伸びる思いでした。
日常の中に溢れるデザインの『理由』を考えて考えて考えて。疑問はないか?もっと良くするには?その答えを、不完全でもいいから、間違ってもいいから出すという行為を積み重ねることが重要だと分かりました!今日から積み重ねます。
追記:セッションスライドも、スッキリと洗練されたグラフィックですのでどうぞご覧ください。
会いに行けるデザイナー、サイモトコウタ
みなさん、会場の装飾はご覧になりましたか?(ご来場されていない方は、ぜひ写真でチェックしてみてください。)これらはクリエイティブハントの運営スタッフが全て準備していますが、サイモトさんも多くのグラフィックを手がけ、そのデザイン力で大活躍でした。
サイモトさんが所属する YWCDが運営する『やまぐち若手デザイナー勉強会』では、サイモトさんをはじめ現役デザイナーやディレクターのお話をじっくり聞けますので、ぜひこちらもどうぞ(次回は冬に開催!)。
結びに。サイモトさんの言葉を載せておきます。
なんにもない
なんてことはありえない
普段の生活の中で
繰り返し拾ってくくりひろい
Creative Huntサイモト コウタ
セッション資料
レポーター:村上
とはいえ、”なんちゃってフリーランス”になってここまで負荷が掛かること自体が初めてだったし、失敗たくさんした分だけ学びも多かった。
おかげさまでローンチ後の仕事も少しずつ決まってるけど、仕切り直してうまくやっていきたい。
もっと子どもを大切にしたい。
— Naoko Murakami (@ud_fibonacci) 2017年10月2日