竹尾の代名詞ファインペーパー!「マーメイド」の魅力に迫る

竹尾様カバー

概要

今年も登場!株式会社竹尾様!

開会式を終えて、洞窟ステージのセッション一発目!
株式会社竹尾 内田恵一さまのにセッションしていただきました!いつもクリエイティブハントでは「紙枠」をなんとなく設けているのですが、そこで竹尾様には例年ご登壇いただき、本当にいつも感謝しか無いです…。
昨今では紙の需要を危ぶむ風潮もありますが、それはそれ、これはこれ!良いものは良い!というところで竹尾様の高品質なファインペーパーのお話を今年もしていただきました。本当に良いんですよ。

写真:株式会社竹尾、内田様

基礎編:紙の基礎知識

まずは最初に竹尾の紙の品質分類表を見ながら、基礎知識をお話しいただきました。

株式会社竹尾様は、高級特殊印刷用紙の開発と販売をしています。現在では販売のみの商品もあり、販売メーカー的な側面もあるようです。
そして中でも竹尾のファインペーパーとは「見て・触れて・感じてもらう紙」。紙は印字された文字情報や図を見るために使われるものですが、それだけにとどまらず、「それ以上のモノを伝えるための紙」なのだそうです。印刷再現性が高い、独特のテクスチャーなど、魅力を最大限に活かす商品郡を見るに納得ですね。

ファインペーパーは「特殊印刷用紙」に分類され、その内約は「色上質」「その他」そして「ファインペーパー」に分類されるそう。私はここで個人的に「色上質…お前特殊な存在やったんか…」という驚きを覚えました。

その中でも細かく種類があり、以下のように分けられています。

■プレーン……平滑なファインペーパー(NTラシャ=服の生地のような質感。日清紡と竹尾が共同開発)
■レイド……縞模様のハードエンボスのかかったファインペーパー(STカバー)
■ブレンド……繊維や白いハネなどの混ぜものを抄き込んだファインペーパー。
■エンボス……凹凸が細かく刻んであるファインペーパー。金属性の形で作る。(レザック)
■地模様……羊の皮のような、紙地に模様をつけたファインペーパー。
■フェルト……毛布で型をつけたファインペーパー。ソフトエンボス・フェルトエンボスともいう。(!マーメイド!)
■高級印刷……元々の色再現性は劣る上質紙に塗工を加えて印刷適性をあげた白い紙のファインペーパー(ヴァンヌーボ)
■ボンド紙……便箋や封筒に使われる、万年筆のインクで滲まない透かしが入ったファインペーパー(スピカボンド)
■二次加工……ラスフレークを吹きかけてたキラキラした表面の色合いがあるファインペーパー(ペルーラ)
■トレーシング……繊維を細かく砕いて光の反射を軽減しており、紙の間に空気の層があるため、透けて字が見える。主に製図用に使われる紙。

写真:紙見本の回覧

この様に様々な種類があります。白くて風合いが素敵で印刷適性が高いだけがファインペーパーではないと。
竹尾様だけでおよそ10,000種類ほどあり、福岡支店には6,000種類ほど置いてあるそうです。
とんでもねえよ…そんなん覚えきれないじゃん…。

新しくなったマーメイド

そして本題のマーメイド。発売当初は「マーメイドリップル」といい、竹尾を代表するフェルトマーク品で、発売開始から今まで、ずっと変わらずに売れ続けているそうです。
そして1999年に紙色が増色・増連量したそうで、一気にバリエーションが増えたとのこと。確かに多いです。
そんなマーメイドの作り方は、紙の製造におけるプレスパートで、水を乾燥してない柔らかい状況の時にフェルト毛布で凹凸の形をつけるそうです。型ではなく毛布ってのがすごいですね。

そんなマーメイドですが、今年の10月にリニューアルをしました。
110kg、153kg、240kgの3つの連量で60種類の展開。
新しいラインナップの色展開に加え、質感で様々なアイテムに対応できるようにしました。薄物から厚物までマーメイドのみで一つの仕事が完結するバリエーションで構成されています。
そして紙色の展開が全体に偏があったため整理・再設定。それぞれの規格も合わせたそうです。(これまではブラウン系が多かった)

新しくなった色展開にも、様々な意図がありました。

写真:新しくなった色展開

フロスティーホワイト
従来の白よりも全体に青みがかった、白系のバリエーションを追加。日本の紙ではいままで白は「赤みがかった」ものが多かったため、そことの差別化も兼ねてのリニューアル。

バリエーショングレー
無彩色の明度段階+色味のあるグレー系統の新色として登場。新しい考え方のグレー。

ダルカラー
マーメイドの色が和のテイストに使いづらいという声があったため採用されました。サフラン/カクタス/インディゴと落ち着きのあるモダンカラーを導入。

ダークトーン
昨今の流行に合わせた、濃い色展開。色の個性が際立つかっちりとした高級感のあるトーン。全体に深い色。

ブラウン
種類の多かったブラウンを整理し、使いやすさ、選び易さを意識。

蛍光色
エンボスものに関しても、派手さはおさえつつ目立つ透明感のある蛍光色のカラーパターンを揃えた。

以上のように、CMF(色=color・素材=material・仕上=finising)の掛け合わせで作られる竹尾のコンセプトに沿って、様々な展開をしていました。
それぞれの色展開も、イノセント/オーガニック/ジャパネスク/ポップ/フォーマル/クラシカルという6つのカラーコンセプトに則り、色の分布を言葉にして用途を明確にしていました。

色の考え方についても、それぞれの用紙にはマンセル番号がついているのですが、よりイメージを大切にするために言葉で表したものを使っているとのこと、最近ではDICと組んで色を設定したりしており、名前一つとっても細かく設定しているとのことでした。イメージを伝えるために本当に真面目にやっていることが伺い知れます。私もちゃんとしないとな…。

ファインペーパー製品無料配布大会

そして最後に恒例かつお楽しみの竹尾紙製品!取り放題となっていたため私も調子に乗ってたくさん頂いてしまった。
紙の良さももちろんなのですが、印刷の精度がものすごいんですよね。さすがのこだわりだな…と感心しきりでした。

写真:紙見本

そして竹尾様にはプレゼント抽選会にてまたも紙見本を提供いただきました!!!
なんか毎年すごいい気さくに提供していただけるんですが、アレ25,000円とかする高級品なんですよ…!!!!!
スポンサードも頂いているし本当に太っ腹過ぎる…!本当にありがとうございます!

写真:竹尾様、セッションの様子

高級特殊印刷用紙の大手企業ということもありますが、その品質とここ最近の紙の色へのこだわりは本当に凄いとしか言いようがありません。日本の高い印刷技術の根幹を支えている紙の製造技術、この先もどんなふうに進化していくんだろうかという期待感がものすごく膨らむセッションでした。

竹尾様ご登壇いただき本当に感謝いたします!
また、厚い協力体制にも厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました!!

レポーター

竹尾様とレポート・司会担当

サイモトコウタ 大村印刷株式会社YWCD

この記事を書いた人

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