14:00からの森林ステージは、「デザインに必要な『呼吸』の話」というタイトルで5010WORKS 代表 Takenori Okashita (GOUTEN)さんにお話しいただきました。
呼吸は日頃から人間誰しも無意識に行っているものですが、デザインにおける「呼吸」とは一体…!?
「呼吸」とは
まずはリラックス
ということで、全員で以下の呼吸をしてみました。
- 息をしましょう
- 意識して息をしましょう
- 腹式呼吸を意識して息をしましょう
- リズムをつけて息をしましょう
- スタッカートなリズムをつけて息をしましょう
- 息を止めてみましょう(苦しくならない程度に!)
- 深呼吸しましょう
会場に一体感が生まれ(?)なんだか緊張もほぐれた感じがします。
普段何気なく行っている「呼吸」にみんなの意識が向いたところで、いよいよ本題です。
デザインにおける呼吸とは
デザインに呼吸はあるのか
デザインに呼吸は「あると思う」と仰るGOUTENさん。
デザインを提供する側とされる側の間で対話を繰り返す際、”息を合わせる”ことが大切になります。
息を合わせる実験
NLP(神経言語プログラミング)というビジネスの現場などでも利用される心理学があるのですが、これに基づいた実験を2名の参加者さんにご協力いただき行いました。
- AさんにBさんが息を合わせて呼吸をする
- 2~3分後、Bさんの呼吸のリズムはそのままに、Aさんがわざと違うリズムで呼吸する
実験後に感想を伺うと、リズムをずらした後は「合わせなきゃ」といった居心地の悪さのようなものを感じたそうです。つまり、
息を合わせる → 心地いい
息をずらす → 気持ち悪い
ということが起こっていました。
デザインも同様で、双方の”息が合う”ときに心地よく感じられるのではないでしょうか。
NLPとは
神経言語プログラミング(しんけいげんごプログラミング、神経言語学的プログラミングとも, Neuro-Linguistic Programming: NLP)は、ジョン・グリンダー(言語学者)とリチャード・バンドラーによって提唱された、コミュニケーション、能力開発、心理療法へのアプローチを目指す技法である。
【引用】フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』神経言語プログラミングhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E8%A8%80%E8%AA%9E%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0
単語・文章設計と呼吸
読みやすいのはどちら?
→B
Aのように一気に読むと頭に残りませんが、Bのように文章を段落で分けるなどして塊としてとらえさせ、”息継ぎ”をさせることで、理解しやすく、印象にも残りやすくなります。
文字体系による印象の違い
文字体系によっても、受ける印象が異なります。
- ひらがな … やわらかさ・あたたかさ
- カタカナ … 無機質さ・冷たさ
- 漢字… 硬さ・重たさ
- アルファベット … 文字列を塊として認識させる
同じ言葉でも、文字体系を変えると読み方に差が出ます。
- 暖かい日差し … 単語ごとに、素直に吐く
- あたたかいひざし … やわらかく、いっきに吐く
- アタタカイヒザシ … 一文字ずつ、スタッカートに吐く
アニメーションと呼吸
アニメーションにおける呼吸は、UXデザインにも通じるものがあります。
マテリアルデザインのモーションの例を挙げての説明です。
【参考サイト】
MATERIAL DESIGN > Motion Customization https://material.io/design/motion/customization.html
眺めてみると、同じ移動経路でも、”緩急と間”の付け方によって色々な捉え方ができることがわかります。
例えば以下の動きを呼吸に置き換えると、左はゆっくり吸って飲みこむ、右は一気に吸うようなイメージですね。
(多少の個人差はあるにせよ)気持ちいいと感じるリズムや動きがあるので、それらはUXデザインにも応用することができます。
おまけ・発見する呼吸
「アイデア浮かばないな…」という時に試すとよいかも?という、オススメの呼吸法を伝授いただきました。
- 目を瞑る
- できる限りゆっくりなペースで、息を限界まですう。(10秒くらいかかる)
- おなじくゆっくり吐き出す
- 4~8回繰り返す
- ゆっくり目を開ける
↓↓↓
世界が輝いて見える…?いろんなものを吸収できるようになった気がする…!?
ぜひ行き詰った時に試してみてください!
(ちなみにこれをすると、よく眠れるそうですよ 笑)
まとめ
普段何気なく行っている「呼吸」ですが、日常に当たり前に溶け込んでいるからこそ、そこには人間が心地よいと感じる法則やヒントがたくさん隠されているのだと思います。
デザインの過程や制作物そのものにおいても、この「呼吸」を意識することで、新たな視点を持てるのではないかと感じました。
GOUTENさん、終始笑い溢れる楽しいセッションをありがとうございました!
資料
レポート:吉澤さん
当日スタッフとしてのお手伝いありがとうございました!