概要
講師紹介
森林ステージのセッション一発目は、今回のクリエイティブハントの実行委員長!
株式会社Solarus リードクリエイターであり「10倍ラクするIllustrator仕事術」の著者(共著)でありメディア・ユニバーサルデザイン2級 ディレクターの茄子川さん。
今回はWEBにもDTPにも活かせるメディア・ユニバーサル・デザインについてセッションしていただきました!
メディア・ユニバーサル・デザイン(MUD)って??
まずはMUD(Media Universal Design )の説明から。
MUDとは印刷物やWEB、サインにおいて、色覚異常、難読症や高齢者の方にも誰でも等しく平等に正しく情報を得られるように考え方のこと。
そういったデザインの技術を正しく習得することを目的としたのがNPO法人メディア・ユニバーサル・デザイン協会が実施するMUD教育検定。
メディア・ユニバーサル・デザイン2級ディレクター保持者は日本では186人しかいないのだそうです。
茄子川さんもその一人。すごい!
資料として持参してくださった検定の教科書にはたくさんの手書きの追記の文字。
めちゃくちゃ勉強された様子がうかがえました・・・。
日本に200万人いると言われている色覚異常のお話へ
色覚は4つの型に分類されます。
・C型 一般型色覚
・P型 1型2色覚・・・赤に敏感な視細胞(L錐体)に異常がある
・D型 2型2色覚・・・緑に敏感な視細胞(M錐体)に異常がある
・T型 3型2色覚・・・青に敏感な視細胞(S錐体)に異常がある
先天性の色覚異常は男性には20人に1人と決して稀なことではないそうです。
メディア・ユニバーサル・デザインの必要性が迫られますね。
茄子川さんが紹介する「色のシミュレータ」アプリを使って実際の体感セッションへ。
このアプリ、スマホのカメラを通してC型、P型、D型、T型の色覚の違いを体感できるのです・・・!
色相環と「テイクアウト8%」「イートイン10%」のアイコンで説明する茄子川さん。
税率が変わったばかりなのでこういったアイコン街中で見かけることは多いかもしれませんね。
画像左下が一般型色覚(C型)で見た色合い。
左上がP型、右上がT型、右下がD型。
あまりの色の違いに受講者さんの驚く声も。
消費税8%と10%のアイコンですが、せっかく色を変えてもP型とD型ではアイコンとして意味をなしていませんね・・・。
色覚を考えた色の選び方
じゃあどんな色でデザインすればいいのか。
●必ず色相環上の対角の色を使うこと
●赤と緑は避けること
3色目を使いたい時は対角の中間上の色を選びます。
デザインの都合でどうしても色が変えられない!そんな時は!
エッチング(パターン)を使用します。
P型、T型、D型は色の差に敏感なのでエッチングで変化をつけることで見やすく、識別がしやすくなるんだとか。
フォントのメディア・ユニバーサル・デザイン
見やすい色の次は見やすい形の話へ。
UD書体(ユニバーサルデザインフォント)を用いての説明。
見間違えが少なく、見比べもしやすいフォントを選ぶことが大切だそう。
全部が全部、UD書体で完結させる訳ではなく、字間を空けてみたり、文字の大きさや場所を考えて使うことが大事だと茄子川さん。
フォントやデザインだけではなく、言い回しや表現の仕方、読みやすさを考えることがMUDには大切なことだと締めくくりました。
MUD教育検定
茄子川さんが取得したメディア・ユニバーサルデザイン2級 ディレクター。
2級には2日間講義や実技試験なども組み込まれており、
新しい知識を得ることができる・文字の選び方やデザインの組み付けなどの勉強にもなるとても有意義な内容だそう。
茄子川さんが取得したメディア・ユニバーサル・デザイン2級 ディレクター(NPO法人メディア・ユニバーサル・デザイン協会Web)
まとめ
アクセシビリティ(WEB)→オープン
メディア・ユニバーサル・デザイン(DTP)→クローズ
まだまだそんなに知られておらず閉鎖感がると感じる
みんなにも広まって、色んな人に教えてあげたい!と茄子川さん。
セッション終了後には茄子川さんの元にMUDやMUD教育検定に興味を持った受講者さんたちが殺到していました。
茄子川さんのセッションで、メディア・ユニバーサルデザインがここでまた広まった気がしました!
「色覚は個性」だと茄子川さん。
色んな感覚の人がいる世の中。どんな人にも情報を正しくわかりやすく伝えられるデザインが大切だなと感じた時間でした!
茄子川さん、ありがとうございました!
レポーター
めっそです。( @mesoism )幸が薄いらしい。
初参加の新参者でお手伝いさせていただきました。