アドビの中の人が語るCreative Cloud最新事情と活用術! 〜ココでしか聞けない「Adobe×山口」レア話〜

14:50からの洞窟ステージでのセッションは、
アドビシステムズ株式会社の岩本崇様とYamaguchi DTP Beeの茄子川導彦さんによる
「アドビの中の人が語るCreative Cloud最新事情と活用術! 〜ココでしか聞けない「Adobe×山口」レア話〜」
でした。

岩本さんは2004年にアドビシステムズ社に入社後、DTP向けアプリを担当されています。
茄子川さんのとこを終始「みっちーさん」と呼んでいらしたので、こちらのレポートでも、茄子川さんのことをみっちーさんと呼ばせていただきます。

みなさんの制作環境は?

  • CSメイン
  • CC導入済みだがCSメイン
  • CCメイン
    (ここでいうCSとはAdobe Creative Suite、CCとはAdobe Creative Cloudのことです)

参加者の皆さんの半数くらいはCCに移行済みとのことでした。

他社で開発されたのちAdobeのアプリケーションに仲間入りしたものも多い中、Illustratorは生粋のAdobeっ子で、今年で生まれて30年とのこと。
実はPhotoshopよりも先輩なのだそうです。
CSになるまでは起動画面にボッティチェリのビーナスが描かれていたこともあり、しばらくはIllustratorといえばビーナスでしたが、2003年10月のCS登場から14年経ち(!)、Illustrator=ビーナスを知ってる人はベテラン枠に入るそうです。(ということはIllustrator8で使い始めた筆者もベテランということらしいです)
ちなみにみっちーさんが初めてIllustratorに触ったのは高校にあったIllustrator5.5Jとのことです。
スライドには歴代のIllustratorのアイコンが並べられており、参加者の皆さんから「懐かしい〜!」との声がたくさん聞こえました。

Creative Cloudはコンプリートプランがおすすめ!

Adobe CCコンプリートプランにはたくさんのアプリケーションが用意されており、参加者さんからは「たくさんあり過ぎる」と苦笑が漏れていました。
DTP、デザイン、Web、写真、アニメーション、3D、開発、モバイルなど目白押しです。
「1枚の写真は1000語を語るが、1分の動画は180万語に値する」という言葉があるそうです。
そのくらいのより大きな情報量を持つことができる動画は、他の広告媒体にはない高い訴求性を持っており、広告市場での重要性が日増しに高まっているそうです。
子どもの将来の夢に「Youtuber」が入るという話もあるくらいです。
ぜひ動画制作にチャレンジしてほしいとのことでした。

みっちーさんは自身が主宰するDTPの勉強会のオープニングムービーをPremiere ProとかAuditionとかAfter Effectsで作ったそうです。
そのムービーが今回も紹介されましたが、某航空会社の登場時の案内映像そっくりで、またもや参加者さんの間から笑い声が聞こえました。

Adobeのプロ映像編集ツールとしては、まずだいたいどこを使うか選ぶためのPrelude、編集をするPremiere Pro、モーショングラフィックを作るAfter Effects、オーディオ制作のAuditionと、映像を撮った後から完成までの一連のワークフローをカバーしているとのことです。

アプリの使い方が難しいという方向けに、積極的にラーニングサポートをされているとのこと。ほぼ毎週木曜夜8時からYouTube Liveで生配信されるCreative Cloud道場、公式YouTubeチャンネルや公式ブログのAdobe Creative Stationと、動画でも文字でもいろんなアプリの使い方情報の発信に力を入れられているそうです。

みっちーさんはDTPのエキスパート

アピアランスで有名になったみっちーさん。
2015年4月24日に開催された、24時間Illustrator愛(Ai)はクリエイティブを救う」(http://www.event-web.net/illustrator/)での日本一のIllustrator使いを決めるAi-1グランプリでは、たくさんのライバルがいる中第2位と大健闘しました。(ちなみにクリエイティブハントに別のセッションで登壇された樋口さんも出場されていました)
この時の第1位の高橋としゆきさんは愛媛県在住、第2位のみっちーさんは山口県在住と、東京で大活躍されている有名な方も出場されている中で、地方で活動しているクリエイターが大きく評価されたことに、岩本さんもとても感激されたそうです。

今とても力を入れているAdobe Capture CC

Adobeのモバイルアプリは無料です。CCなどを契約していなくても使えるので、ぜひインストールしてほしいとのこと。
Adobe Capture CCは写真から、カラーを抽出、トレースしてベクターシェイプに変換、ユニークなパターンやブラシを作成、の3つが主な機能で、ライブラリ機能を使ってPhotoshopやIllustratorと連携してすぐに利用できるので、素材作りにぴったりとのことです。
岩本さんの部下の方が作られたLINEスタンプ「はたらく、岩本さんの一日」(https://store.line.me/stickershop/product/1122456/ja)はCaptureを使って制作されたそうです。(筆者も購入して利用させていただいております)
現在特に力を入れて開発しているので、これからさらに面白い機能が増える予定だそうです。

Typekitに日本語が増えた!

Adobe CreativeCloudにはTypekitという機能があって、フォントを別に買わなくても、CCに契約することで使えるフォントがぐんと増えるのです。
その数、欧文フォント1万書体以上、日本語だけでも171書体あるそうです。
日本語フォントでは最近、視覚デザイン研究所、字游工房、大日本印刷、Fontworksの4社の書体が利用開始になり、それまでにも提供されていたモリサワ、Adobeの書体と合わせてより豊かな表現ができるようになったそうです。
またWebフォントとしても使えるので、Webデザイナーにとっても嬉しいお話だと思います。
TypekitでインストールされたフォントはOSのフォントフォルダに不可視ファイルとしてインストールされるので、Adobeのアプリ以外にもフォントを選べるアプリケーションでも使用できるとのことです。

Adobe Sensei

Adobeが開発した技術に、Adobe Senseiというものがあるそうです。
最近よく耳にする「機械学習」にあたるもので、Photoshopで「塗りつぶし」機能の内容で「コンテンツに応じる」(筆者は「こんじる」と呼んでおります)と設定した時の処理は、このAdobe Senseiの技術によるものだそうです。
同じ「コンテンツに応じる」でもPhotoshopのバージョンが上がるごとに、仕上がりが格段に良くなるのが実感できていましたが、まさかAdobe Senseiによるものだったとは!筆者の目から鱗がポロポロと落ちている心地でした。

岩本さんを始めAdobe社がクリエイティブの土台を支える存在として、日々努力されている様子が伺うことができ、大変興味深いセッションでした。また、洞窟ステージに入れないほどたくさんの参加者の皆さんが集まり、大変熱気を感じる「アツイ」セッションでもありました。
これからも、Adobe社のアプリにたくさんお世話になって日々クリエイティブを楽しんでいきたいと思いました。
楽しいセッションをありがとうございました!

セッション資料

レポーター:茶生(さい)

この記事を書いた人

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